ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第23回(ジェロ・マガ Vol.23 [2022年1月26日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-

—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-

 

今回は、岸田文雄首相が地方活性化の切り札に掲げる「デジタル田園都市国家構想」について、取り上げたいと思います。
地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことで、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、検討が進められています。
デジタル田園都市国家構想実現会議|内閣官房ホームページ

昨年12月開催された第2回「デジタル田園都市国家構想会議」では、デジタル活用の基盤づくりとして、
①デジタル対応インフラの整備(2023年までに5G普及率9割に等)
②デジタル人材の育成・確保(2026年度までにデジタル人材を230万人に等)
③地方の課題解決のための活用(デジタル化に積極的な自治体を1000に等)
④誰一人取り残さないための取り組み
などの施策、目標を掲げられました。

また、関連予算としては2021年度補正予算と2022年度当初予算案に総額5.7兆円が計上され、2022年度当初予算の総額6兆円の公共事業に匹敵する規模となっております。
また、自治体の取組を促す仕掛けとして新たに創設する200億円の交付金などを打ち出される予定です。

これらの内容については、目標の設定にとどまり具体的な計画が定められていない、また、補助金事業は「ばらまき」に終わり、生産性の向上につながらないのではという指摘もあります。
但し、コロナ禍により、私たちの生活は大きく変わり、急速な勢いでデジタル化が進み、テレワークやオンライン授業等を通して、場所に縛られない体験を得ました。
さらに、地方活性化として、デジタル技術で新たなビジネスの創出が求められています。
市民と自治体による共創型の問題解決の動きも出てきている中、政府の動きがそれらの動きのサポートにつながることが期待されるとも考えられます。

最後に、ご参考として、「デジタル田園都市」のトップランナーとして紹介されているモデル事例を紹介します。

●自治体主導による「スマート畜産」【鹿児島県肝付町】
今回の取組は町が主導し、生産者をグループ化してアプリケーションを同時に実装。
これまで個人利用していたデータを指導関係機関で共有し、現場の営農指導に生かそうという取組が国内初。

●ICT「スマートシティAiCT」【福島県会津若松市】
首都圏などのICT関連企業が機能移転できる受け皿として整備されたオフィス環境。
ICT関連企業の集積により、首都圏からの新たな人の流れを生み出し、新たな雇用の機会が創出されることで、若年層の地元定着や地域活力の維持発展を目指す。

●遠隔双方向ライブ授業を活用した町営塾【沖縄県与那国町】
日本最西端の国境の町が、オンライン教育を活用した町営学習塾を運営(小中学生受講費、教材費無料)。離島においても都市部と変わらない教育環境を与える。
3年間の町営塾の実施により、全国学力テスト結果が伸長し、全科目で全国平均を上回った。

●オンライン診療・服薬指導、医療×MaaS【長野県伊那市】
医療機器を装備した移動診察車に看護師が乗り、テレビ電話により医師が遠隔地から患者を診察。
配車システムにより、患者と医師が合意したスケジュールに応じ、効率的なルートで患者宅を巡回し、患者、医者双方の負担を軽減。

●ビックデータ活用により空き家実態調査【群馬県前橋市】
空き家実態調査には、予算や時間、調査員の判断がばらつくことに課題がある。
そこで市が保有するクローズドなビックデータ(住民基本台帳データ、固定資産税台帳データ、水道使用量)を活用し、空き家の状況を推定・可視化することにより、持続的な実態調査システムを構築。